「……何で凪原が知っている?」 ボソリと、緒方先生が低い声で言う。 今の話しの男子生徒は……緒方先生、なの? 「この話しは、倉本と森沢しか知らないハズだが?」 「倉本先生も森沢も、緒方先生の過去を俺に話してなんかいませんよ」 「じゃあ何故……」 「まあ良いじゃないですかそんなコト。今は関係ないでしょう?」 そう言って恭ちゃんは緒方先生から私の鞄を取ると、私の手をギュッと握った。