「……倉本先生」


ゆっくりと、先生の名前を呼ぶ。


「私は」


今更、考える必要なんてない。

私が先生に言わなきゃいけない言葉は、ただ一つだけだ。


「嫌いです」


先生を見つめる。

と言うか、睨みつける。


「私は、先生のことが」


ハッキリと、

キッパリと、


「大嫌いです」


また厚い雲が夕日を隠し、

辺りは静かに闇へと落ちていった……。