「……自分の気持ちを言うかどうか、悩んでたんだけど」 いつもとは違う声のトーン。 「でも、もう隠すの無理だわ」 何かを決断した瞳。 「塩川を目の前にしてると、俺おかしくなっちゃうんだよな」 「せん、せ……?」 「まあ、要するにアレだ」 スルリと、私の頬をそれは優しく撫でる。 そして…… 「好きだ」 雲が去り、オレンジ色の光が私と先生の二人だけを照らし出した。