「美加、大丈夫?」 英語のテストが始まる五分前、恭ちゃんがそんなコトを聞いてきた。 「ふぇ?」 「いやさ、最近勉強ばっかやってるみたいだし……ちゃんと休めてる?」 「もう、恭ちゃんは心配しすぎ。私は大丈夫。それより、ギリギリまで勉強しないと」 先生から渡されたあの紙の束は、もう最後の一枚となっていた。 細かい説明に赤線を入れながら、見落としがないように問題を丁寧に解いていく。 そしてそんな最後の一枚の最後の問題を解き終わった瞬間、キーンコーンというチャイムが鳴り響いた。