「わっ、美味しい……!」

「ふふふー!森沢花恋特性クッキーだよ!!」


香ばしいチョコレートクッキーの味が、ほんのりと口の中に広がっていく。

ちなみに今はテスト勉強を終え、私、恭ちゃん、倉本先生、緒方先生、花恋ちゃんみんなで、さあ帰ろうかと下駄箱へと向かい学校の廊下を歩いているところだ。


「いいなぁ、料理が上手で。私、クッキーは絶対に焦がしちゃうから……」

「じゃあ俺が教えてあげよっか美加??」


私の横に並び、何故かキュッと恭ちゃんが私の手を握る。

そんな恭ちゃんの制服の襟を、ガッと倉本先生が掴んだ。