「倉本、いちいち塩川に引っ付くな」 突然、緒方先生がそう言ってベリッと私から倉本先生を引き剥がした。 「あーもう、また義実が邪魔したぁ!」 「黙れ」 氷のように冷たい声音で言った緒方先生は、黙れという風に倉本先生を睨みつける。 「とにかく、俺はテスト勉強をしてはいけない、とは言っていない。ただ倉本が真面目にやるかどうか保証がないだけであって……」 「そこで一つ提案がある」と言って、緒方先生は倉本先生にニコリと笑いかけた。