グッと、先生の顔を思い切り押して自分から逸らす。 そんな光景を見ていた緒方先生は「はぁ」とため息をつき…… 「お前なぁ、いい加減にしろ。まずそんな呑気にしていられる時期だと思ってるのか?」 腕を組み、少しずれたと思われる銀縁の眼鏡を指先で整え、緒方先生は倉本先生を見つめる。 「来週の月曜日から」 「期末テストだってこと、まさか忘れたわけじゃないよな?」と、緒方先生は言った。 ………え? 期末、テスト??