「先生だから……教師だからこそ、立場がマズすぎる」 苦しむような、そんな表情。 「倉本の幼なじみだからこそ……あいつが、どれだけ塩川に本気か分かる。だからダメなんだ」 「だから倉本には金輪際、関わりをもたないでほしい」と言って、私を見つめる。 先生の眼鏡の奥には、悲しそうな瞳があった。 「緒方……先生?」 「なーに勝手に言っちゃってくれてんのかなぁ?」 ギュッと、誰かに後ろから抱きしめられた私。 「……倉本」 静かにポツリと、緒方先生が呟いた。