スッと、緒方先生は椅子から立ち上がる。 そして私の目の前まで来た先生は、「とにかく」と言って、 「倉本にも俺からは言っておく。だから、倉本から話しかけても無視をしてほしい」 「それ、は……でも、倉本先生は先生で、無視なんて」 「だからこそ無視をしろと言っている」 少しだけ、緒方先生の声が大きくなる。