グッと、私と先生との距離が一気に縮まる。 私は鞄を盾にして、先生に近寄るなとサインを送った。 だけどそのサインは先生には届かなかったらしく……。 「ああ……照れてんのか」 「は?」 「そっか照れてるんだな。じゃあ仕方ねえ……」 「無理やりにでも抱きしめてやる」と言って、ギュッと盾にしていた鞄ごと私を抱きしめた。 なな……っ!? 「いきなり何なんで―――っ!」 「寂しいだろ?」 「……え?」 「いつも家に一人で、寂しいだろ美加?」