飛べない黒猫

「真央ちゃんの留学の話、断ったんでしょう?
って言うか、日本の学校も行けないのに、イキナリ海外なんて無理だって。
しかも、大学だし。
高校生から順番に行けばいいのに…
発作は苦しいから、無理しなくてもいいと思うんだ。
1日1時間だけ学校に行ってみたらいいんだよ。
留学はそれからじゃないの?ふつう…」


美香は真央に言う。


「ね、真央ちゃん。
美香が一緒にいてあげるから、美香の高校においでよ。
毎日行かなくてもいいんだからさ。
美香だって、時々授業サボったりするし。」


「学校かぁ…」


蓮は腕を組んで唸る。


「なんで?
おかしいよ…
蓮さんも、学校が怖い所って思ってるの?
ウソでしょう!
勉強はつまんないけど、友達いるもん…楽しいんだよ、学校って。」


美香はプリクラのシール帳をを真央に見せた。


「美香ね、真央ちゃんと話してみて思ったんだけど。
真央ちゃんなら、すぐに友達出来るよ。
不思議ちゃんキャラだから、みんな面白がるって。
絶対に仲良くなれる。」


美香は蓮に近づき、小声で話す。


「美香の学校ね、私立のお嬢様学校だから…
青田のおじさまだったら、問題無いと思うんだ。
経済的にチカラあるもん。
入学金とか寄付とか、バーンと払えば楽々入学許可おりちゃうよ。」


そうだな…

美香の言う事も頷ける。
俺は、自分が学校嫌いだったから、高校なんて行かなくていいと頭っから否定していた。

真央は、母親の死のショックを引きずって家にこもっていただけで、学校が嫌なわけでない。