飛べない黒猫

思い悩んでいる間にも、おなかはどんどん大きくなってくる。

さすがに、もう隠しきれないと思い、すべてを彼に打ち明けようと決心した。
その時だった…

警察が家に来た。
強姦された事、妊娠している事が両親に知れた。



犯人が捕まったのだ。

殺人、強姦、強盗の容疑だと言っていた。

警察が調べていく中で多数の被害者がいる事がわかり、犯人の自宅からは犯行時の【記念品】が多数見つかった。

その中に、洋子の生徒手帳も含まれていたのだ。


犯行後、犯人は被害者の金品を奪ったり【記念品】になるものを奪い、それを収集し楽しんでいたらしい。

そういった異常性を持つ犯罪者は、大体が、その犯行をエスカレートさせる。

犯人は、洋子を強姦した後も犯行を重ね、ついには被害者を殺害したのだった。




あっと言う間だった。

どこから漏れたのかなんて全くわからないが、次の日には噂は広がり、マスコミ関係の人達が自宅付近をうろついていた。

名前こそ伏せられていたが、新聞や週刊誌に洋子の妊娠の事も書かれていた。


もう、学校には行ける状態でなかった。



家族にも警察にも彼の事は話せなかった。

もし話したら、間違いなく彼も洋子と同じ様に騒がれて、学校へも行けなくなってしまう。



本当は心細くて、寂しくて…
彼に側にいて欲しかった。


彼の子供かもしれない命のことを洋子の口から伝えたかった。


…ううん、彼だって気づいているはず。
自分の子かもしれないって…



だから、会いたかった。
どうしても、会って彼と話しがしたかった。


そして洋子は夜中、部屋から抜け出し彼の家へと走った。