「なぁなぁ! これ、どー思う?」 「……あぁ。良いんじゃね?」 アイツの質問を 聞き流しながら答えると ムスッとした顔で俺を見つめた。 「なんだよ、冷てーよ……直樹」 そう言って ショボンとするのは 幼なじみで 腐れ縁の矢苑(シオン)。 「そーいうのは自分で選ばなきゃ意味ないだろ?」 「そ…そぅだけど」 矢苑が俺に“このこと”を 言ったのは信頼してるからだと思う。 でも その信頼は 時に残酷だ……――――。