「お前、なにやってんだよ」


顔をあげると


ショウが居て……


何で???


って思った。


「来てくれたの??
…勉強は???」


「あんなメール来て、勉強出来るわけねぇーだろ」


優しさが身に染みる。


いつも、優しいね。


いつも人のことを優先して考えてる。


「ありがと…」


「おぉ!……珍しく素直…ふぅ…」


息が切れてる。


走って来てくれたんだ。


「楼閣、行きたいの?」


「…うん。行きたい」


「…じゃ、頑張ろう。分からなかったら勉強教えてやっから」


『何で行きたいのかも


聞かないでいてくれるんだね。


自分も勉強忙しいのに


ここまで来てくれて


そんなことまで言ってくれて


ありがとね』



伝えたい言葉が次々溢れて来て


……言えない。


「寒いし帰る?
…それともまだ居る?」


「…帰る」


これ以上ショウの時間割いたら駄目…。


その帰り道はいつもより暗くて不安に感じた。



「……周りが反対しても
自分が決めて
それに向かって努力したら
良いんじゃねぇ?


例え結果が悪くてもさ、
何か残る気がする。



俺はいつもそう思って
自分の道を決めてきたよ」


真面目な顔して言ってくれたショウの言葉が


胸の中にいつまでも残ってる。