ジンは手を合わせた。

「悪魔に近し神よ、我に力を与えたまえ、<スリップ>。」

ミリアも手を合わせた。

「いと高き水神よ、我に力を貸し、我に力を示せ!水神狼『ナイアウルフ』」

(ウォォォォン…)

いつものように遠吠えが聞こえた。

そしていつものようにミリア達の目の前に現れた。

「今回もよろしくな。」

ナイアウルフは湖の上を走った。

マデュウスがいる岩陰まで走っていき、飛び掛った。

マデュウスは水のベールを張った。

しかし、ナイアウルフはベールを突き破りマデュウスに噛み付いた。

『狼水牙』だ。

さらに爪を立てて刺した。

『狼水牙』と『水流爪』の連続技だ。

マデュウスは倒れて、小さな光に粒になって水のクリスタルに入った。

「勝ったねっ!!!!!」

「でも水神との戦いはやっぱ疲れるな…。」

「…。俺も疲れた。」

「私も魔力ぎりぎりだ!ははは!!」

「それ笑い事じゃねーし…。」

最後に向かうところはミスティだ。

やっと旅も終盤になってきた。

しかし、ミリアの体に刻まれている黒い模様は左足を埋めようとしている。