ファミレスっていっても、メニューは冷凍ばかりではなく、ちゃんと作る工程もあるので、結構楽しかったりする。

制服も黒いTシャツに、Gパン、黒いキャップ帽子をかぶるといった感じで気に入っていた。







「今日は暇そうだなぁ」


俺の隣で代々木さんが、サラダで使うトマトを包丁で切りながら言った。




代々木さんは俺の2つ年が先輩で、バイト内では一番仲がいい人。

優しくて、気が利く、良き兄貴的存在。






「…ですね」


皿を片付けながら言う俺。




「お二人さーん♪注文入りますよ〜」




ホールからひょこっと顔を出したのは、ウェイトレスの舞(まい)。

舞は俺と同い年。

高校は違うが、同じバイト仲間の女の中では一番しゃべる奴。






「はーい」


代々木さんが、機械から出てきた紙を取る。

この紙にオーダーされたメニューが書かれてあり、俺らはその紙を見て料理を作る。