タンスからスウェットや着替えを出す澤田。

俺はそっと澤田に近づいた。







「お風呂入っちゃうね。ねぇ?なんかお菓子って買ってあったっけ?小腹空いちゃっ……」


俺は澤田の言葉を止めるかのように、澤田の手首をつかんだ。
澤田の動きがピタリと止まる。






「横‥山くん?」

「………」


少しびっくりしたような表情をする澤田。






「さっき…」

「え…?」

「さっき…誰と会ってたの?」

「………!」



ずっと言いたかったことが、やっと言えた。







「……あ、ああ。遠山(とおやま)さんのこと?」



遠山?

あいつ遠山ってゆうんだ。






「…うん。あいつって誰?」


澤田の手首を握っている力が、少し強くなる。





「……あの人は・・・」

「…うん」