音がした方を見ると、薄暗い中で澤田が走って来るのが見えた。

俺は座っていた原付から立ち上がる。







「お待たせ〜」

「うん…」


少し息を切らしながら、カバンからタバコを出す澤田。




「どした〜?なんか用事?」




澤田は、タバコに火をつけながら言った。








「用事つーか…原付のケツに乗せてやろうかと思って……」

「え…」

「今日バイト休みだし‥縄跳びの練習で残ってたから、帰る時間先生と一緒くらいだからついでに…」

「・・・・」


すると澤田は、じーっと俺の目を見つめ始める。





「な、なんだよ」

「なんか変に優しい…なんか企んでない?」


「ハァ?」


ジロッと俺を睨む澤田。