ゆっくり話せる昼休憩を選ぶなんて、郁斗のやる事には感心する。 お陰で、私もちゃんと話せそうよ。 誰もいない屋上で、心地良い秋風だけが、嫌味だわ。 私の心は、少しも心地良くないっての! 「単刀直入に言う。郁斗、もう私に話しかけてこないで」 いつもなら、笑ってはぐらかす郁斗も、今日は真顔で聞いていた。