あ~、イライラする。 昨日の郁斗の事が、夢にまで出てきたんだもん。 「もうダメ。重傷かも…」 「どうしたの?香織、テストの結果、悪かったの?」 「うん。そう。最悪」 なんて、昨日は塾をサボったから、テストの点なんて分からない。 それに、正直、今はどうだっていい。 席に着いて、両手で頬杖をついていた時、 「香織!」 案の定、郁斗が教室にやって来た。