しみじみと言う郁斗からは、さっきまでのふざけた感じはなくなった。 「だから、頑張った。香織との約束を守りたかったし…」 それは、私も一緒。 「それに、香織との別れを、無駄にしたくなかったから」 そう言いながら、私の手を握る。 「オレがあの日、さよならを言わなかったのは、また香織に出会いたかったから」