私の場合それがなかった。
知らず知らずのうちに、思い出さないようにしていたのかもしれない。
ノックの音が聞こえる。
「何か、ございませんか?」

ぞうもつやさんだった。

「反対に聞きたいな、私みたいな人は
最後の日にどんなことをするのか・・?」

「さまざまですよ。暴れる人、泣く人・・・おそらく
この世に未練がある方たちです。落ち着いていると
言うことはこの世に未練がないってことですか?」

「自分でもよくわからないんです。さっき手紙を書くとき
母のこと考えたんです。そのとき悲しむかな?と思ったら
切なくなったので考えないようにしました。」

聞きたいこと・・・・

「そうだ。私の臓器を移植する方は私のことを知ってるんですか?」  

「知っていますよ商品ですから。何も知らずに商品を買う人はいません。」