海までの距離

こうして見ると、本当に普通の大学生だ。


「さあて、じゃあ一通り校内見てみようか。日曜だから人なんて殆どいないけど」


ライさんはそう言って、校内を抜けた。











海影さんから情報を貰いそびれていたけど、ライさんは今1年生だと言う。
凪さんもライさんと同じ歳で、凪さんは今T大の理学部とのこと。
キャンパスを歩きながら、そんなことを教えてくれた。
ライさんが私に色々話してくれ、それに加えて歳が近いせいか、すぐに打ち解けられた気がする。
ライさんの言う通り、キャンパスには人が全くと言っていいほど歩いていない。


「で、ここが図書館」

「すっごーい!大きい!」

「ちなみにあっちに見えるのが学食ね。平日だったら、連れていってあげられるんだけど、土日はやってないからなあ」

「そうなんですね。残念」

ライさんは親切に広い敷地をくまなく歩いてくれた。
パンフレットで見ていた景色と同じようでいて、やっぱり微妙に違う。
キャンパスに植えられた樹木が色付いて情緒的だし、図書館がこんなにも立派だなんて。
こういうこと、願書に上手く反映できそう。
校舎が囲む秋色の空間は、ゆるやかに流れる。
やっぱり私、ここに通いたい。絶対ここに通いたい。