しかしまあ、私もこんな長時間参考書と向き合っていたのか。
読んでいたのは面接対策の本。
一人でぶつぶつ呟きながら、何度もシミュレートする。
自分で言うのもどうかと思うが、今の私はちょっと危ない。怪しい。
「ふー…」
溜息をついて、やっと途切れた集中力。
もう23時だった。
そろそろ切り替えて世界史の勉強でもしようかな。その前にちょっと休憩。
ベッドの上に放置していた携帯に手を伸ばす。
マナーモードにしているからちっとも気付かなかったけど、海影さんから着信が入っている。10分前だ。
出てくれるといいな…淡い期待を抱いて、折り返し電話をする。
『よっ、お疲れ』
コールを待つまでもなく、海影さんの声。
「お疲れ様です、海影さん。電話頂いてたから、かけ直しました」
『悪いな。勉強中だった?』
「ちょっと一息入れてるところです」
『そっかそっか。いや、用事があって電話したわけじゃないんだけどな』
「珍しい」
『そうか?…うん、ま、でも珍しいか』
聞こえてくるのは海影さんの声だけで、しんとしている。
周りに誰もいないみたい。
読んでいたのは面接対策の本。
一人でぶつぶつ呟きながら、何度もシミュレートする。
自分で言うのもどうかと思うが、今の私はちょっと危ない。怪しい。
「ふー…」
溜息をついて、やっと途切れた集中力。
もう23時だった。
そろそろ切り替えて世界史の勉強でもしようかな。その前にちょっと休憩。
ベッドの上に放置していた携帯に手を伸ばす。
マナーモードにしているからちっとも気付かなかったけど、海影さんから着信が入っている。10分前だ。
出てくれるといいな…淡い期待を抱いて、折り返し電話をする。
『よっ、お疲れ』
コールを待つまでもなく、海影さんの声。
「お疲れ様です、海影さん。電話頂いてたから、かけ直しました」
『悪いな。勉強中だった?』
「ちょっと一息入れてるところです」
『そっかそっか。いや、用事があって電話したわけじゃないんだけどな』
「珍しい」
『そうか?…うん、ま、でも珍しいか』
聞こえてくるのは海影さんの声だけで、しんとしている。
周りに誰もいないみたい。


