「……何だよ。」 「いや、特に何も。」 「あっそ。」 「ただ、呼び捨てだから珍しいと思っただけ。」 珍しい……か。 「そーかもな。」 「愛実ちゃん、可愛かったなぁ。 流石、校内の姫なだけあるよ。」 純弥が、しみじみとそう呟いた。 「……姫?」 俺は眉をひそめた。 「あれッ、もしかして慧斗、知らない?」 「何を。」 主語を言え。 俺がそう言うと、純弥は 「しょうがないねー…。」 と話し始めた。