ガラガラ。


『きゃー!!』


俺が教室に入ると、いつもの五月蝿い黄色い声。

そのとき、麻奈からの鋭い視線が突き刺さる。

俺は麻奈に向かって、


「川崎さん、おはよう。」


にっこり笑って見せた。

麻奈は口角を不自然に吊り上げる。


「ぉ、おはよう、王子。」


俺は軽く無視して席についた。


「キーッ!!むっかつく!!!!!!」

「まぁまぁ…。」

「従兄じゃなかったら、殺れたのに…。」

「物騒なこと言わないの。」

暴れる麻奈を宥める愛実。