プルル……プルルッ、


“もしもーし♪”


受話器越しに聞こえる大きな声。

私は携帯を耳から外して顔をしかめる。

慧斗にも声が聞こえたのか、怪訝そうな顔をしている。


「……うるさい、馬鹿兄貴。」

“うわ、第一声から酷い!!”

「お兄ちゃん今どこ??」

“学校。今終わった。”


私はニヤリと笑った。


「お兄様ぁ~、私を送って??」

“お前そういうときだけなぁ……。まぁ、いいや。迎え行くから待ってろよ。”

「3分で来てね♪」

「ちょ、3分とか無理…」

「じゃーねー♪」


私は終話ボタンを押した。