「ありがとう。」


純弥くんは優しく微笑んだ。


「ぁ、ここにしよっか。」


純弥くんが指差した先は、屋上の螺旋階段。


「うん。」


私は頷いて、螺旋階段へ向かった。



純弥くんが、わざわざ空き教室を避けてくれているのが分かった。


「純弥くん、」

「何??」

「ありがとう。」

「ぇ、何が??」


純弥くんは困惑している。


「あと、」


言わなきゃ。

昨日のこと。


「この間は、ごめんなさい。」