「勝った!」
 思わず叫んでしまったけれど、そんなの、どうでもいい。あの、ティアにどんな形であれ、勝ったんだ。
「じゃあ、これからもよろしくお願いシマス」
「え……?」
 相手の挨拶に少し違和感を感じている間に、少年は一度にこりと笑ってから、ティアの方へ行ってしまった。
「ちょ、ちょっと待って」
 少し反応が、遅れてしまうも、僕もあわてて追いかける。
 あの少年。魔法が使えること、いくらなんでもタイミングが良すぎること、そして最後の違和感。僕の予想が正しければ…………彼は、『ステラ』だ。

2章『隣街』
5話『○日ぶりのこんにちは』 完