「考えても仕方がない…鍵を壊せばいいんだよな」


そんな覚悟を決めて、工具調達に行こうとした時に、声をかけられた


「学校内の物品を壊すと、最悪停学にされるぞ」


すごく冷たい、冷静な声

振り返ると、隣のクラスの秀才イケメンの日高葉音(ヒダカハオト)がいた


「知らねぇ!大切な物を壊されるよりマシだ!」


停学?そんなの怖くない!

俺が怖いのは、大切な彼女が壊れてしまうこと


「ほら」

「え?」


日高が何かを投げた

それをキャッチすると…

それは、屋上の鍵だった


「なんでお前が…お前が盗んだのか?」

「違うし。さっさと行けよ。叫ぶほど必要なんだろ?」

「お…おぅ!ありがとう」


日高に促され、俺は屋上に向かった