「や…だ…やめて…先輩」


一気に恐怖が私を支配する


「初めてでもないくせに、初めてみたいな反応するんだね?」


楽しそうに笑う先輩

これが、私が好きだった先輩なの?

怖い…怖いよ…


「…助け…て…栗…林…」


ほぼ、無意識に昨日喧嘩したアイツの名前を呼ぶ


「栗林?…あぁ、昨日の男か。馬鹿だね?来るわけないじゃん。…君が、自分で引き離したんだろ?」


先輩に言われ、胸がぎゅっと苦しくなる


あぁ…私、馬鹿だ…

こんな偽物の優しさを信じて、栗林がくれていた本物の優しさに気づかなかった

こんなの、自業自得だ