勢いよく雄太が

のけぞって

水の中に

入っていった.




「あいつ、意外とうまいよね.」



「うん、なんか

水泳を楽しんでる感じがする.」







雄太の泳ぎは

那智だけでなく

私も上手いと思うし

好きだ.






この泳ぎを通して

自分を表現している

ように見える.





いつのまにか彼は

50mのターンを終え

最後の追い込みに入った.






「持久力はんぱな…」




そうつぶやいていると

那智はもう

スタート台に

立っていた.






「雄太ーっ!

ラスト、ラスト!」





そう声をはりあげて

雄太が

タッチをした瞬間

華麗に

飛び込んだ.