だって・・・!
彼女のこと、めちゃくちゃ大事にしてたくせに。
喜ぶ顔が見たくて、無理して買ったブランド物の指輪買ってたじゃん。
彼女が手作りしたお揃いのストラップを宝物にしてたじゃん。
なんで別れ話なんてしちゃうのよ、ばが。
一気に話し終えると、石田は小さく息をはいて少し真剣な表情になった。
「で、お前は?
なんかあったんだろ、その髪。
…失恋でもしたか?」
う、なかなか鋭い。
「…ハズレではないけど…当たりでもない。」
「はぁ?」
「フラれたから髪切ったんじゃなくて、髪切ったらフラれたのっ!」
先程と同じようなやり取りに、ふっと石田が笑う。
なんだか釣られて私も笑ってしまう。
ああ、そっか。
たぶん、
私たちは
似てるんだ。
そうでしょう?石田。

