遠回りしたのは、 お互い様。 モンチッチ女と、 コーヒー男。 今にも雪が降り出しそうな、寒空の下で いつまでも二人、その有様を笑いあって。 もう寒くなんてなかった。 あたしの首には、青色のマフラー。 寒さで赤くなった鼻を隠すように、深くマフラーに顔を埋めると、 ほんのり甘い、石田の匂いがした。 ―完―