「あら、美味しそう」 母がメニューをめくって独り言を言う。 「ケーキでも食べる?」 「アタシはいい。」 「・・・・・」 アタシは自分の素っ気ない声でハッとする。 「やっぱ・・いる。」 「・・いいのよ?無理しなくても。」 「・・・・・・」 苦笑いした母に、申し訳なくて俯いた。 駅ビルの中の喫茶店。 母と二人携帯を買いに来たものの、手続きでこんなに待たされるとは思わず・・・ 母とようやく片言喋れる様になったアタシには この一時間はキツイ。