「・・・・・・」

黙ったままのアタシに、竜が口を開きかけた時


ピーンポーン
ピーンポーン ピーンポーン
ピーンポーン


「「・・・・・」」

急かす様に連打される呼び鈴。


しかも玄関から。



「・・・・はい」

何かとてつもなく嫌な予感がしながら、玄関を開けると・・・


「・・・・・・」

「・・・・・・」

作業衣姿の那智が、ア然としてアタシを見下ろしていた。


「あー那智チャン早かったねぇ♪今日現場都内じゃないのぉ?」

「・・・・・!」

振り返ると、悪戯っ子みたいな笑顔で、竜がヒラヒラ手を振っていた。


「りゅ~うっ!!!」

アタシを押し退けて、ズカズカと竜に歩みよると那智が叫びつけた。

「仕事早退したんだぞっ!アイツのどこが大変なんだよっ!ピンピンしてるじゃないか!!」


「・・・・・・」

キョトンとしてるアタシに、竜が目を伏せて声を搾り出す。

「ごめんねぇ?愛美が大変だからすぐに来いってメールしたらまんまと那智来ちゃったぁ・・・・」


「・・・・・」

反省してる様に見えないのはアタシだけだろうか

「あのねぇ!昨日の今日だぞっ?変な嘘つくなよっ!」


那智が真顔で竜を叱りつける。


でも・・・・

「・・・・・」

竜は黙ったまま、那智を睨みつけ見上げていた。



「いい加減にしなよ那智・・・・」