[完] スマフォン忍者 HISANO

 寿乃のクラスの看板が見えても、減速しない。

 ドアの真横で急停止する。

 休む暇なく、ドアを音もなく開ける。

 寿乃が少しだけ余裕を持って入れるぐらいに明けたら、ぐっと急速に屈んで音もなく閉める。

 教室の中は・・・やっぱり予想通り風花がいた。


 計画通り、ちゃんと寿乃の席にいる。

 バッグの中を開けている。

 ファスナーが開く音は、あの時のくららの悲鳴と重なる。

 寿乃は一瞬ひるみそうになったが、すぐに切り替える。

 くららの悲鳴は、想像以上に寿乃の心を容赦なく苦しめている。

 それでも、一歩一歩進む。