[完] スマフォン忍者 HISANO

「まぁ、とにかく、俺が数学教えるから。
 寿乃ちゃんはこの部屋から出て、事件に集中。

 でも、どうでもいいメール読むのに時間をかけるなよ。」


――はるくん、おせっかい。
   でも、まあ、いいか。――

 寿乃はパソコンを抱えて部屋を出た。

 出る際に、

「寿乃ちゃん教え方上手いから…。」

 そんな言葉が聞こえた。

 瞳美の声はとてもむなしく感じる。

 啓仁に教わりたくないから。
 
 ほんの少し瞳美に申し訳ない気持ちを抱えながら、部屋を出た。


「さてと、瞳美いくぞ。」

「瞳美じゃなくてお姉ちゃん…」

 瞳美のテンションはここから寝るまで、ずっと下がりっぱなしだった。

 寿乃はメールを読むのに集中していて、このことは知らない。