[完] スマフォン忍者 HISANO

 もう、我慢できない。

「因数分解は何回も演習して、感覚をつかむものなの!

 じゃあ、この問題解いて。」

 無理やり瞳美のもとから離れ、数メートル離れたところにあるパソコンの前に座る。

 こうして瞳美に問題を解かせ、その間にチェック。


――よし、これで集中できる!名案名案。――


 っと思いきや。

「寿乃ちゃん、ヘルプ。」

「もう、自力でやって!!」

 そう言って、瞳美を睨みつけた。
 そんな寿乃を見て、瞳美はむすっとして、仕方なくシャーペンを走らせる。
 でも、

「えぇっと、これは。
 1と2じゃあ、成立しない。
 うぅ~ん・・・。」

 間接的にヘルプを求めている。

 寿乃は神経を尖がらせて、メール一文一文読んでいるにもかかわらず。

 もう集中できない。瞳美の独り言のせいで。