[完] スマフォン忍者 HISANO

 そんな寿乃の思いとは裏腹に、王路たちはまだやっている。

 くららを被写体にずっと写真撮影。

 あぁー。
 かれこれ一時間以上やっている。
 絶対見ていたら欠伸しそう。

 いや、寿乃が欠伸しそうになるより、くららが風邪をひかないか心配だ。

 何とかしてやりたいところだが、寿乃にはできない。

 寿乃は、口の中にあった唾をすべて飲み込んだ。


 まだ日は落ちてないから、曇り空が明るく見える。外はしとしと雨が降る。

 このじめじめ感が、嫌で嫌で仕方ない。

 この天気のせいか、寿乃のイライラはますます積もる。

 積もりに積もって、爆発しそう。

 もう少し具体的に言えば、また動いてしまうという形で爆発しそう。