[完] スマフォン忍者 HISANO

 だけど、王路はそんな寿乃のかすかな希望を打ち砕いた。

 そう、王路が後ろを振り返った。

 王路は、あたりをじろじろ見る。

 じろじろじろじろ。

 化粧で目が大きく見えるせいか、目から放たれる光線が余計に怖く感じる。


――やばいやばい、まじやばい!!――

 王路の目線が、寿乃の汗腺に突き刺さる。
 そして、そこから冷や汗が溢れ出る。

 少し離れたところに王路がいるが、寿乃には目の前に王路の顔があるように感じる。


――見ないでほしい、見ないでほしい。――

 そう思うと、さらに焦ってしまう。

 寿乃は焦る。焦る。

 焦って、緊張しすぎて、また動きそうになる。
 今は何とかこらえているが、動くのは、もはや時間の問題かもしれない。