[完] スマフォン忍者 HISANO

 冷や汗が出る。


――高橋に気付かれてなければいいんだ。
   あいつが否定すれば、子分たちは黙るはず。――

 子分たちにとって王路のいうことは絶対だから。

『気のせいだ。』

 と言えば、今の話はなかったとなるだろう。

 しかし、王路も気付いていたら。

 気付いてないと信じたい。
 だけど、もし、気付かれたら・・・

 そう思うと、体が震えそうになる。体が震えると、気付かれる確率がさらに高まるから、何とかこらえている。


 どうしても寿乃は王路を見てしまう。

 王路は寿乃を背にしているから、顔色をうかがえない。

 

――いやだ、いやだぁ~ぁ。――

 気付かれるのも嫌だけど、この嫌な雰囲気も嫌だ。

 嫌なことから逃れるように、


 
――高橋は振り返らない。

   振り返らない、振り返らない。――

 そんな希望を持って、この状況を乗り切ろうとする。