――高橋は一体何なのよ!!
人に濡れ衣を着せて。
このーー!!!――
あっ、足を一歩動かしてしまった。
お金を取り上げたかったからだ。
動いてはいけないと分かってた。
でも、一歩足を踏み込んでしまった。
これでは、王路たちに寿乃がいることがばれてしまう。
この中にいる人だれも見ていなければいいのだが。
――見ていない、あいつらは見ていない!
あいつらは、富川に夢中になっていたんだ。――
寿乃はそう信じるしかない。
「王路様。
後ろに、何か、変なのがあったような気がします。」
寿乃の脳に、ガラスが砕けたような音が聞こえた。
その瞬間、くららの動きを押さえている子分に気付かれたんだと悟った。
まずいっと思い、足を一歩元に戻そうとした寿乃はピタッと動きを止める。



