――動かないように、気をつけないと。油断大敵。――
そう思いながら王路たちを見ると…
おやおや?
大変なことになっている!
「お前が金を盗んだだろ!」
寿乃も思わずびっくり。それでも、体はそれに反応していない。というよりは、できない。
王路の声がトイレ中に響いて、寿乃やくららの耳に突き刺す。
――はっ、お前の子分がやったんだろ?――
そう思うまでに時間がかかった。
あまりにも衝撃過ぎて。
「私、やってない!」
くららがそう言って当たり前。
無実は無実だから。
寿乃ははっきりと断言できる。王路の子分がお金を盗んだところを“見た”から。
だけど、くららの目は死んでいる。
“私、何もしてません。”っというのが伝わらない。
これじゃあ、ますます王路に突っ込まれる。
でも、くららには、くららなりに理由があって、目が死んでいるかもしれないような気がした。



