[完] スマフォン忍者 HISANO

 そういえば、くららは王路の子分として一緒に行動してたが、ここ最近はそうではない。

 一人でお弁当食べるし、移動したり、学校にいる間一人でいることが多くなった。
 それに、少なくとも学校にいる間中、冴えてなさそうな顔をしている。

 一体何が起こったのだろうか…?

 寿乃がそう思っていると、

「お前見てると、マジ、キモいんだけど。」

 王路の言葉に、くららは何も反応しない。むしろ、反応しているのは寿乃だ。

 ただ単に心が強いだけなのか、それとも強がっているのか…

 くららの気持ちはどうであれ、あきらかにいじめだ。

 これはさすがに、いつもの冷ややかな目では見られない。

 
――いつの間にか、こんなことに・・・。
   高橋、何ということをした!――

 くららのつらい立場を思うと、寿乃は嘆いてしまいそう。

 “許せない”

 この四文字が、頭の中に浮かんでは離れない。