[完] スマフォン忍者 HISANO

 時変わって、その日の夕方。

 寿乃は帰宅部に入っている。すなわち、部活に入ってない。勉強と忍術を両立させるために。

 寿乃はクラスで一番早く帰れる。
 他の子は部活に入っていて、いつも夜の七時ぐらいになるのに対して。


 いつもと同じように家に着くと、六畳ほどの和室に作務衣姿の武仁がいる。

 畳の上に寝っころがって、何か書類らしきものを見ている。

 寿乃は、入り口付近に正座し頭を下げる。

「殿。ただ今戻りました。」

「おぉ、寿乃か。」

 武仁はちらりと寿乃の方へ眼を向けて、また元に戻した。

 寿乃は部屋を出ようとしたら、


「寿乃、茶室に来い。」

 急に武仁が立ち上がった。