[完] スマフォン忍者 HISANO

 寿乃は王路たちの様子から目をそらし、再び机に倒れようとしたが・・・


――待てよ、この間も同じようなことが起こった。――

 倒れるのをやめ、数日前のことを思い出す。

 昼休み、那美ではない他のクラスメートがお金がないと言い、それに対し、王路がやはり同じことを言った。

『王路が捜してあげる。』

 その時の表情は、何か気味悪そうな笑顔。

 その声色は、何かを企んでいそうな雰囲気を醸し出していた。

 あれからどうなったのか。

 寿乃には分からない。


――なんか嫌な予感。――

 なぜなのか、直接的には分からないがとにかく寿乃は感じる。 

 嫌な予感を感じる。

 何か、嫌なことが起こっていそうな予感がする。