[完] スマフォン忍者 HISANO

 なにもかも、全部。

 “あの日”はもう二度と思いだしたくない。

 忘れたい。

 絶対に。

 そう思っている時に限って、いつも忘れられない。


「寿乃ちゃん、どうした?」

 はっ!っと寿乃は我に返る。

 後ろを向けば瞳美が。

 でも、寿乃の目にはうみ子の面影が重なって見える。

「うみ子・・・あっ、瞳美ちゃんだ。」
「んん?どうした?」

 もちろん、瞳美はうみ子のことは知らない。

 寿乃が驚いている姿に、疑問がわく。


――寿乃ちゃん、なんで驚いているのかな?――