[完] スマフォン忍者 HISANO

――何事?――

 寿乃が辺りを見渡すと、一人のクラスメートが慌てている。

 カバンを机の上において、ひたすら開けて、ついにはひっくり返して。

「お財布~~。」


――保坂(ホサカ)にしては珍しいわね。――

 保坂那美(ナミ)。
 普段は、そんなに目立つ子ではないのにっと寿乃自身思っているのだが、こんなに慌てている姿は初めて見たのでちょっと驚き。

 でも、これはクラスメートの新たな一面が見られたっと言うことで、また元に戻ろうとしたら。

「那美ちゃん。王路(キミジ)が捜してあげる。」

 
――出た、この女王高橋め。――

 思わず寿乃も睨みつけたくなってくる。

 一年の始めから金髪に、重苦しく見えるの長い髪。

 超短いチェックのスカートに、指定外のリボンにバッチリ化粧。

 授業中に平気で携帯いじったり、寝たり、お菓子食べたり。

 見た目だけ判断すれば不良だ。

 見た目だけではない、中身も不良だ。
 不良グループと付き合っている。勉強できない。言葉使い悪い。

 この清川女子高校の校則で髪を染めるのはいい。スカートの長さは決まっていないし、化粧禁止ではない。

 だが、あまりにもひどすぎて・・・