[完] スマフォン忍者 HISANO

「まぁ、野いちごで売れない詩を書いているんだ。」
「売れない詩・・・。」

「でもせっかくの力作をもっと見てほしい。

 いや、詩人になりたいから忍者やめてなりたいから、ブログで宣伝しているの。」

 子どもっぽくて、熱意がある。

 そんな瞳美の気持ちに寿乃は、


――いいなぁ、瞳美ちゃんには夢があって。――

 いまだに寿乃は自分の進路を決めていない。

 高校卒業したらどうするのか。

 島に帰るか、ここに残るか。

 ふぅっと思わずため息。

 考えるたびに嫌になる。

 だからいつも考えるのをやめてしまう。